ボジョレーヌーボーを売る短期バイト

ちょうどシーズンという事があり、かつてボジョレーヌーボーを販売するという短期アルバイトをしたことがあります。5日間程度で、派遣されたところはデパ地下でした。それまでほとんどワインも飲んだことがなく、知識は何もなくてとても不安だったのですがなんとなく面白そうだなあ、と思い申し込みました。

すると本社で面接を行った直後にちょっとした研修が行われました。本当に何も知らなかったので助かりました。具体的にはワインの知識の基礎からソムリエナイフを使ったボトルの開け方、今年のボジョレーヌーボーの出来具合とそのセールストークなど現場での売り方というものなどを数時間教わりました。試飲販売であったため、支給されたソムリエナイフで何回か練習をしました。てこの原理で簡単に開けられるので力を入れずに開けられます。ボジョレーヌーボーを売っている時には数十本開けたので、これは今でもコルクを落とすことなく確実に開けられるようになっています。時給としては、当時のほかのアルバイトよりも100円ほど高かった覚えがあります。そのこともやってみようと思ったきっかけのひとつでした。

貰った資料を読み込んでボジョレー解禁の日を迎えました。百貨店の売り場に行くとすでにボジョレーヌーボー専用のコーナーが目立つところにできていました。メーカーごとに区切られていて、私の担当するメーカーの方とあいさつを行い「とにかくたくさん売って欲しい」という無言のプレッシャーを与えられました。というのは、ボジョレーヌーボーはそもそもフランスのボジョレー地方で造られた新酒を祝うお祭りのようなもので、造り手ごとに違うボジョレーヌーボーがあってその一部が日本に輸入されています。その中でも有名人を広告に起用したりするタイプも同時に売られていて、私の担当するものは全く広告を出していないタイプだったのです。そんな中で開店するといきなりたくさんのお客さんがボジョレーヌーボー目当てに入ってきました。もう日本でもお祭りのような賑わいで、あちこちで試飲が行われ次々に売られていきました。売っている方もこの賑わいで楽しくなり、飲食店などのアルバイトでよくある暇で余計疲れるという状態が全くなくとてもいいアルバイトだったと思います。

普段私のようにワインを飲むことのないお客さんもたくさん来られて、数日で得た知識をどんどん出して売りました。特に女性の場合は一緒に食べると美味しい食事などはよく聞かれました。目の前にはしっかりチーズコーナーもあってぬかりがありません。私の担当しているワインは実際に飲んでみると他のものよりも結構おいしいので、試飲販売の効果はかなり高かったと思います。特により限定した地域で作られるビラージュというタイプは本当に美味しくよく売れました。

初日の勢いそのままに最終日までお客さんは絶えず、売り場全体でもかなりの売り上げだったともいます。徐々に売り切れの商品もでてきていて、私の担当するものも最終日になんとか売り切ることができました。ちょっと価格の高めなビラージュの方は売れ残ってしまいましたが、メーカーさんもこの売り上げを見て満足してくれたようです。とにかく楽しく販売できた短期アルバイトでした。

それからことあるごとにワインを飲むようになり、最終的にはワインエキスパートというソムリエのような資格を取得するまでになりました。この資格は暗記が多くてなかなか大変なのですがこのアルバイトをきっかけに取得できたので大変感謝しています。レストランへ行っても、ワイン売り場に行っても緊張せずに楽しく選ぶことができるようになったので、友人からも重宝されています。